グリーンマーク(Gruenepunkt)とは、リターナブル容器を除くほとんどすべての包装容器をカバーするリサイクルマークである。包装容器生産者は「デュアルシステム・ドイツ株式会社(Duales System Deutschland AG:DSD)」にライセンス料を支払い、製品にグリーンマークを印刷する。グリーンマークのついている包装容器は、製造業者に代わってDSD社の委託業者が収集・分別・リサイクルする仕組みだ。DSDは1991年に制定された包装廃棄物令をきっかけとして、製造メーカー、流通メーカー、小売業者などの出資によって設立された非営利会社の名前であり、システム自体の名前でもある。グリーンマークのついた包装容器は、専用の袋に入れてDSDの委託業者が収集する自治体もあるし、カールスルーエ市のように資源ゴミとして収集してから分別するところもある。宝塚の粗大ゴミの処分・廃品回収・廃棄品引き取り DSDのもっとも大きな特徴は、生産者が製造だけでなく回収・分別・リサイクルといった「製造後」にも責任をもつ「生産者責任」にある。ライセンス料は素材ごとに異なるので、包装の簡素化・減量化と、紙などライセンス料の安い素材(リサイクルしやすい素材)の利用が促進される。DSDはこの10年余りで大きな効果を挙げ、ゴミの減量、リサイクル産業の育成、リサイクル政策の向上に貢献している。今回は残念ながらDSDとグリーンマークについて詳しい解説はできないが、今後もドイツのリサイクルシステムはDSDを中心にして発展していくはずである。豊中の粗大ゴミの処分・廃品回収・廃棄品引き取り ◆ リサイクル業者 収集された資源ゴミは市が処理を委託している分別業者“バウトランスポート(Bautransport)”の分別作業場へ運び込まれる。この作業場は月曜から金曜まで毎日12時間稼動し、機械と人手を組み合わせて1日約100トンの家庭由来の資源ゴミを分別している(一部、事業所由来の資源ゴミも扱っている)。作業員は約60人で、ベルトコンベアー脇などで単純労働に従事するのは外国人労働者が多いようだ。 箕面の粗大ゴミの処分・廃品回収・廃棄品引き取り ◆ ガラス容器の行方 ヨーグルトのガラス容器は購入した店に持っていくとデポジット(預かり金)を現金で返してくれる。システムはすばらしいが、ガラス容器の分別に人手と手間がかかるのも事実。 さて、使用済みのヨーグルト容器は洗って返すべきか、それとも洗わずに返すべきか? 清掃局HPの返却マニュアルによれば「スプーンでかきとる程度で十分」。「工場で念入りに洗浄されるから家庭での洗浄は水道水の無駄使い」という論理だが、筆者は常々これに疑問を感じていた。ビンを未洗浄で置いておくとカビが生えるし悪臭もする。フタは付けて返却するのがルール(フタがないとビンの口が欠けて使えなくなる)だが、見た目は悪いし、洗浄工場の衛生環境にも問題があるはず。写真の返却ガラスビンを見ると、いずれもきれいに水ですすいであることがわかる。もう一度、容器のラベルをよく見ると「容器は洗ってフタを付けて返却するように!」と書いてあるではないか。これからはちゃんと洗って返却すようにしたい。 ところで、ガラスビン入り(500g)のヨーグルトは、筆者が知る限りどのメーカーも写真2.1. のタイプを使っている。どういう経緯で統一されたのか調べたことはないが、日本のビールビンのようにリターナブルに適したシステムである。そうなると、商品の差別化はラベルのデザインがすべて。目新しいビンに詰めて売り出すことも可能かもしれないが、リターナブルのシステムから外れた商品は消費者が好まないだろうし、「このビンでなければヨーグルトにあらず!」と思えるほどドイツ社会に浸透しているものだ。 川西の粗大ゴミの処分・廃品回収・廃棄品引き取り 3. その他のゴミは? これまでに説明した以外の家庭ゴミは、どのように処分すればいいのだろう。 下にいくつかの例を示す。 このような回収ボックスが、市内に約400ヶ所設置されており、清掃局が定期的に回収する。 大きいバッテリー(車のバッテリーなど)は清掃局が運営する有害物質取扱所へ持っていくか、市内に巡回設置される移動有害物質取扱所へ持っていく。 有害物質は市のゴミ回収センター内の有害物質取扱所のコンテナ(写真黄色)で収集され、処理業者に引き渡される。有害・危険物質にもいろいろあるが「拳銃の弾」が匿名で持ち込まれることも。 修理すれば着られる古着・靴は市内に設置されている古着回収コンテナに入れる。これらのコンテナは赤十字や慈善団体が運営管理し、発展途上国のために役立てられる。 コンテナの設置には市の許可が必要だから、不適切な事業者は締め出されるはず。しかし慈善事業と見せかけて回収し、一般の流通ルートで利益をあげる事業者もいるらしい。 古タイヤは市の運営するゴミ回収ステーションに持っていくか、業者に引き取ってもらう(いずれも有料)。 写真3.5. 粗大ゴミの日 タンスや机などの粗大ゴミは、地区ごとに年2回ある粗大ゴミの日に出すと、清掃局が回収してくれる。また、市のゴミ回収センターへ自分で持ち込むこともできる(いずれも無料)。粗大ゴミの日になると、その地区の路上はゴミだらけに。「回収後、清掃局が路上清掃するからかまわない」という考え方もあるが、もう少しスマートなやり方は無いものだろうか。 ミネラルウォーター、アップルジュース、オレンジジュース、ビール類はそれぞれビンの規格が統一されている。車などで来て、ケースごとまとめ買いする人が多い。デポジット(預かり金)付きのガラスビン・ペットボトルは買った店に持っていくと預かり金を現金で返してもらえる。 デポジットの無いガラスビンは市内に設置されたガラスビン回収コンテナに入れる。フタを付けない、陶磁器類は不可、耐熱ガラスは不可などの注意事項が書かれている。 デポジット制度とガラスビン回収コンテナシステムの整備で、ガラスビンの回収率は非常に高い。しかし、ガラスビン回収コンテナからはビンを投入するたび「ガチャン!ガチャン!」とすさまじい音がするので、近くに住む人の精神的な負担は相当なもの(設置場所は市が決める。捨てていい時間帯は平日の8時から夜8時まで)。たまたま、ガラスビン回収コンテナの近くに住んでいたことがあるが、夜中にビンを捨てる不届き者が結構多い。そんなときは、決まって一番近くの住人が窓から顔を出し「夜中に捨てるな、バカヤロウ!!」と叫んでいた…。 4. ゴミ事情の周辺 さて、この先はまとめを兼ねて筆者の主観を含めて書くので、そのつもりでお読みいただきたい。 ◆ ドイツのゴミ政策・リサイクルシステムに問題がないなどという事はありえない。家庭ゴミの分別一つとっても、まだまだ改善の余地があるし、環境やゴミに対する意識の低い市民も多数いる。全体として、ゴミ政策・リサイクルシステムが日本より進んでいることは間違いないが、ドイツ自身もよりよい方法を模索している段階であることを認識していただきたい。 ◆ ドイツへ環境・ゴミ視察へ来る日本の方が空港に降り立ってまずすることはゴミ箱の中を覗くこと?! 「ドイツのゴミ分別状況はこんなものか?」と落胆される方も多いようだが、筆者がお勧めしたいのはとにかく先入観を捨ててドイツの状況を眺めること。日本に伝わるすべての情報がドイツの状況を正しく反映しているとは限らない。 それから、大人数でゴミ箱を覗き写真を撮るのはやめましょう! ゴミは人に見せるものではないし見られたくないもの。世界中どこでも、人がゴミ箱を覗く光景は変である。目立つからだめ、目立たなければいいという問題ではないが、見るときは節度を持ってお願いします! ◆ 以前、ゴミ回収センターで写真を撮っていたら「許可なしの撮影は禁止」と注意されたことがある。管理者の許可を取らずに撮影した筆者が非常識だったのだが、何か特別な事情がありそうだったので聞いてみた。それによると、いつ誰がどのように撮ったのかわからない写真が、誤った説明とともに新聞に載ったことがあるそうだ。写真に限らず、ゴミに携わる人々は報道に対して神経を使っている。それだけ批判の対象になる機会が多いということか。清掃局が積極的に広報活動を行うのには、そんなところにも理由がありそうだ。 ◆ 不法投棄 ドイツにも不法投棄の問題がある。家庭ゴミに関しては「他人のコンテナに捨ててしまう!」とか「公共のゴミ箱に捨てる!」人がいるので、住宅によってはゴミコンテナのフタにカギをかけている。また、一般道沿いの駐車場のゴミ箱に捨てられるゴミは「8割以上が家庭ゴミ」という調査結果もある。 ◆ 最後のカギは教育 分別の誤りや不徹底に罰金を課すこともできるが「罰ではなく教育と啓蒙」によって状況を改善するのが市清掃局の基本姿勢。清掃局でヒアリングを担当してくれた方の言葉「圧力には圧力が返ってくる」が印象的。その話をある日本人にしたら「性善主義だね」と苦笑いされた。そんな甘いやり方で物事が変わるはずがないと感じたのかもしれないが、最後のカギとなるのは教育である。市清掃局では様々な啓蒙活動や幼稚園・小中学校を中心とする教育活動に力を入れている。これも担当者の言葉だが「家庭のゴミ分別は子供の任務」。子供の意見によってゴミ分別に本格的に取り組む家庭も多い。
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